浅草寺のすゝめ。おみくじで凶が出やすいってまぢ?


浅草寺。浅草と聞けば誰もが朱塗りの雷門と巨大な提灯を思い浮かべるだろう。浅草寺は東京都台東区に建立された寺院でなんと1400年近い歴史を誇る。

 

推古天皇の御代三十六年(六二八)三月十八日の春麗らかなる朝、漁師の檜前浜成・武成の兄弟が、浅草浦(現隅田川)で漁労に精を出していたところ、その日に限り一匹の魚も獲れず、投網に掛かるのはただ人形の尊像だけでした。しかしそれが観音像とは知らずに、幾度か海中に投げ入れ何度場所を変えても同じ事の繰り返しです。流石に兄弟は不思議に思い、その尊像を捧持して今の駒形から上陸し槐の木の切株に安置しました。そして当時郷土の文化人であった土師真中知にその日の出来事を語り一見を請うたところ、同氏は「これぞ聖観世音菩薩の仏像にして現世御利益仏たり、自らも帰依の念深き仏体である」と告げられました。

-引用元: 浅草寺縁起

 

上記引用文にある人形、「絶対秘仏」は金色に輝く6cmにも満たない小さな増だとされているが誰も見たことがないため実態は不明。絶対秘仏に前立ち像(身代わりとなる像)が作られ、それが現在私たちがお参りする像となっている。

治承4年に源頼朝浅草寺で勝利祈願をしたことなども有名。

 

浅草寺のおみくじは凶が出やすいのか?

寺院といえばおみくじ。正月の初詣に浅草寺を訪れるとおみくじを引く参拝客が目立つ。

ところで浅草寺のおみくじは他の寺院に比べて凶が出やすいことで有名である。本当にそうなのであろうか。調べてみるとおみくじの各運勢の出る割合の調査統計があった。変わった調査をする人もいるものだ。

凶の出る確率は全国の平均値が11.5%に対して浅草寺は30%と驚異的である。グラフを見ると全国の寺院が比較的全ての運勢の割合が満遍なく分布しているのに対し、浅草寺は吉、凶の割合が異常に高いということもわかる。

 

おみくじは元来、比叡山延暦寺の良源僧正が日本に広く普及させたとされ、浅草寺にも伝えられたそうだ。その元祖である「観音百籤」では、くじの配分が

凶30%・吉35%・末吉6%・半吉5%・小吉4%・末小吉3%・大吉17%

と明確に決められている。これは浅草寺のおみくじのものと一致する。

つまり浅草寺では凶が出やすいのではなく、浅草寺以外の寺院で凶が出にくく吉が出やすくなっているのだ。これにはおみくじを引いた人の気持ちが明るくなるようにという寺院の想いが込められている。

 

ちなみに厳島寺院も吉以下が出る確率は30.5%なので浅草寺と同じく観音百籤を使っているのだろう。

 

おみくじの運勢の出る確率は全国的に統一されているわけではなく寺院によってかなりのバラツキがあるようだ。インターネットとGoogleマップビッグデータを駆使して全国の統計を比較、コンペアリングし、大吉の出る確率の高い寺院に行くのが賢く効率的なおみくじの引き方だろう。

 

余談

日本最高峰の天照大神を祀る伊勢神宮にはおみくじがない。

これはおみくじは日頃から参拝できる身近な寺院で引くものであり、一生に一度と言われていた伊勢神宮には必要ないと考えられていたからだそうだ。確かに一生に一度の伊勢参りで大凶でも出た暁には一生立ち直れないだろう。

 

 

運気増、四万六千日

「四万六千日」という観音様の功徳日があることを知っているだろうか。これはそのままの意味で、四万六千日≒126年という日数を表す。

 

そもそも功徳日というのは室町時代ごろに作られた、参拝すると100日,1000日分のような規定された日数分の功徳が得られるという特別な日のことである。

現在浅草寺では月に一度、年に12回の功徳日を設けており、7月10日は最大の功徳日となっている。7月10日、四万六千日に参拝に行けば126年分の功徳を得られるそうだ。126年というのは人の寿命の限界とも言われており、一生分の功徳が得られる日だそうだ。

 

7月10日は年に一度の、通常時の46000倍の功徳が得られる大功徳日なのだ。

 

とんでもない話である。水曜日と土曜日にポイントが2倍になるファミペイとは比べ物にならない。ポケモンGOにでもありそうなシステムだ。一度も遊んだことはないが。

こちらもまた効率的に功徳を集めたい方にとっては逃せない日だろう。今年行けなかったことが本当に悔やまれる。

 

ところで現在ギネスブックに登録されている最長寿命は122歳まで生きたフランス人女性ジャンヌ・カルマンさんだ。功徳日が延長され、さらにお得になる未来も近いかもしれない。